歯科医院に行くと、よく「歯石を取っておきますね」と言われると思いますが、みなさんは、歯石とはどのようなものかご存じですか?
歯につく「歯垢」は、細菌と代謝物のネバネバしたかたまりです。この歯垢が唾液に含まれるカルシウム成分などと反応して、「歯石」になります。つまり歯石とは「歯にこびりついた汚れが石のようになったもの」です。
では、歯石を取らずに放っておくとどうなるのでしょう?
歯石の表面は、ザラザラして、たくさんのでこぼこがあり、歯垢が留まりやすくなる性質を持っています。そして歯石のつく場所は、歯と歯ぐきの境目ですので、歯垢に潜んでいる細歯が悪さをして、虫歯や歯周病を引き起こします。歯周病になると細菌が血液を介して全身に影響を及ぼし、誤嚥性肺炎や心疾患、糖尿病、早期低体重児出産、骨粗鬆症など多くの健康被害をもたらします。
また歯石が空気と触れない場所にできると、嫌気性菌が増えていきます。この菌が作り出す物が、口臭の発生原因にもなるのです。口臭が気になる方は是非一度、歯石の状態をチェックしてみてください。
最近では、インターネット通販などで歯石を除去する器具を簡単に手に入れられるようですが、自分で歯石除去を行うことは危険です。歯ぐきの中にできた歯石を取るのは難しく、中途半端に歯石が残ると、かえって歯垢が付きやすい環境にもなります。そして施術後にきちんと消毒できないと、歯ぐきの炎症を起こすなどのトラブルにも繋がるからです。
歯石は、歯科医師・歯科衛生士にきちんと取ってもらいましょう。